前場の日経平均株価は17円安と反落。注目の集まったFOMCでは、政策金利は据え置かれたものの、声明に12月の利上げを検討するとの表現が加わった。これを受けて28日のNYダウは一時急落する場面があったが、結局198ドル高で取引で終了。米株高を背景に寄り付きこそは日経平均も買い先行でのスタートとなったが、一巡後は利益確定売り優勢の展開。寄り付き前に発表された9月鉱工業生産指数が市場予想を上回ったことにより追加緩和の思惑が後退し、売りを誘う形となった。業種別では、医薬品、機械、卸売業、精密機器などが値上がり率上位に。一方、証券商品先物、その他製品、空運業、繊維製品などが値下がり率上位となった。
個別では、人工知能の最新技術であるディープラーニング（深層学習）を使った独自の顔認識エンジン「Faceee（フェイシー）」を開発したと発表した【6075】フォトクリエイトや前日一時ストップ安まで売りこまれた直近IPO銘柄【3418】バルニバービ がストップ高。また、上方修正、自社株買い発表【5815】沖電線が急伸となったほか、トヨタテクニカルディベロップメントとの共同開発による人工知能を用いた知財戦略支援システム「Lit i View PATENT EXPLORER」の提供を開始した【2158】UBICなども大幅高に。一方、スマートフォンゲームのサービス開始延期を発表した【7974】任天堂と、提携先の【2432】ディーエヌエーなどが急落した。
明日の日銀会合、追加緩和の思惑後退。しかし、既に大方緩和がないとの見方が強かったのもあり、ここから更に急落といった流れになるとは想定しづらい。一時的な下落はあったとしても今後の政策期待、郵政上場など控えることを考えれば絶好の拾い場になる可能性も。今はじっくり様子を伺いつつ押し目を狙うタイミングを見極めたいところ。
